原子爆弾による放射線の遅発した影響は、熱線や火災による火傷、爆風による負傷、放射線の影響という3つの要因が複雑に絡み合った。広島原子爆弾の原爆症による長期の古いケロイドを手術したが、抜糸による傷跡で新しいケロイドが再発した。この現象は医学的には説明がつかない。
(I) 急性疾患の放射線の影響は、熱線や火災による火傷、爆風による負傷と相乗的に作用した。一般に被曝者の病状を悪化させた。
その発症時期によって急性疾患と長期疾患に分類される。急性疾患とは、炸裂後から1945年12月末までの間に発症した症状であった。多く被爆者は、炸裂後に約5ヵ月で回復した。
それらは悪心・嘔吐・下痢の消化器症状、頭痛・譫妄・不眠などの神経症状、脱毛・脱力感・倦怠感の適応症状、吐血・血便・血尿・鼻血・歯肉出血・性器出血・皮下出血の出血症状、発熱・咽頭痛・口内炎・皮膚炎などの炎症症状、白血球減少・赤血球減少などの血液症状、吸虫症・月経異常などの生殖症状が出る。急性疾患期間中の総死亡者約14万人のうち、約20%が爆風による負傷、約60%が熱線や火災による火傷、残り20%が放射線障害であった。
(2)長期疾病の原子爆弾に被爆して、急性期の原爆症から生存した多くの被爆者は、原子爆弾から1945年12月末には、表面的には健康であるように見えた。しかし、原子爆弾による医学的影響は終結してなかった。
原子爆弾による火傷は、一度は治るが、1~数ヶ月もすればケロイドを形成し、傷跡が隆起した。ケロイドの発生率は、1946年から1947年にピークを迎えた。さらに外傷性白内障などの眼科的疾患や、白血病などの血液疾患は、1947年頃から頻回に認められるようになった。特に白血病は1950年から1960年に頂点に達した。甲状腺癌、乳癌、肺癌、唾液腺腫瘍などの悪性腫瘍は、白血病の発生ピーク後の1960年頃から増加している。その他に、易疲労性、めまい、不眠などの神経障害、老化、胎内被爆による病気などが発生した。放射線の遺伝的影響については、現時点では明確な証拠は得られていないが、今後の調査・研究が必要な問題である。
Japan No Atomic Bomb (JNAB) 日本原爆禁止の会: 日本平和市民が原爆の悲惨な体験をした「日本思い出の原子爆弾」の真実を授けたい。日本原子爆弾の代弁者として多くの世界平和市民の心に送りたい。いつかの時代も、原子爆弾の加害者と被害者にされるのは市民です。原子爆弾を知らない世代の平和市民に「思い出の原爆」の真実を覚えてほしい。原爆と平和市民の真実を記録するブログには、その関心や意義だけではなく、閲覧にも留意しましょう。「思い出の原子爆弾」の真実は平和市民による原子爆弾禁止の真の抑止力となります。 Japan No Atomic Bomb (JNAB) 日本原爆禁止の会 japan.atomic.bomb@gmail.com https://sites.google.com/view/japanatomicbomb/ @Aug/6/2016, JAB